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あとがき
森 啓
pp.620
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101806
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本号は,アセチルコリン特集号である。今年がデールによる発見100周年にあたるようで,担当編集委員を決める段になって,「アセチルコリン」だからアルツハイマー病,認知症だから私という役回りになったのかもしれない。私自身アセチルコリンについては素人であるが,そんなことが許されるほど現編集部(委員会)にはやさしい人はいない。今から40年以上も前に『Nerve, Muscle and Synapse』(Bernard Katz著,McGraw-Hill Inc., US)を完読して以来の基礎的な勉強と応用を紐解くこととなった。Noと言えない典型的な日本人である私は,幸い編集子の助けもあり企画内容自体は,時間をかけて練りに練った成果が実り,実際に集まった特集原稿を一読して,新しいテーマであることを実感できたことは大きな喜びである。私的にも一皮むけた印象が残っている。なにより,神経発生の上での自律神経系の意味について長らくもやもやしていたが,遠心性要素が映し出されている今回の特集を読み,自分なりの制御,調整の位置関係が得られたように思う。
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