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あとがき/読者アンケート用紙
桑原 聡
pp.104
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200357
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本号ではシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)の特集が組まれている。中川正法先生ご執筆の「CMTの治療—神経内科の立場から」で紹介されている下肢装着型ロボットスーツHAL®医療用(下肢タイプ)(以下,HAL)は原稿執筆時点では申請中であったが,2015年11月10日に新医療機器としての薬事承認が審議会で了承された。ちょうど同日午後に日本医療研究開発機構(AMED)の革新的医療技術創出拠点プロジェクト・統合戦略会議(難病分野)が開催されており,筆者も出席していた。HAL医師主導治験の治験調整医師である中島 孝先生(国立病院機構新潟病院副院長)が治験データの発表とともに午前の薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)での審議の結果,部会の了解を得られたとの発言をされ,会場全体から大きな拍手が起こった。当会議の出席者はAMED事業を推進している当事者がほとんどであり,まさにAMEDが目指す医療革新の1つの成功例が示された瞬間であった。その後,HALは11月25日に正式に承認された。
HALの適応対象は「希少神経・筋難病疾患による歩行障害を有する患者」であり,疾患としては脊髄性筋萎縮症,球脊髄性筋萎縮症,筋萎縮性側索硬化症,CMT,遠位型ミオパチー,封入体筋炎,先天性ミオパチー,筋ジストロフィーの8疾患に対して今後保険診療としてHALを用いたリハビリテーションが可能となる。希少性神経・筋難病疾患の患者に対して医師主導治験が成功した意義は大きい。
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