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あとがき
泰羅 雅登
pp.1358
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101358
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痛みと聞いて喜ぶ人は皆無であろう。人類にとっての三大痛みは群発頭痛,心筋梗塞,尿路結石といわれている。この中に入っていないのかという痛みに陣痛があるが,足の小指を机や椅子の角に思いがけずぶつけた時も痛い。くも膜下出血時の痛みは「いきなり殴りつけられたような」と評される。最近,身近で多いのは痛風。これも風が吹いても痛いというが,発作を起こした当人たちの顔を見ていると辛さが伝わってくる。そしておそらく誰もが1度は悩まされたのは歯痛であろう。また,困ったことに,確たる原因がないにもかかわらず痛い,神経因性疼痛などというのもある。幸い,この中で自分が経験したことがあるのは歯痛だけで,痛みについてはまだまだ初心者である。
痛みの表現もさまざまである。ちくちく,ぴりぴり,しくしく,ずきずき,じくじく,きりきり,がんがん,じんじん,じんわり,がーん,すきーん,などなど。痛みの強さと質と時間的な要素をそれぞれ表現している。さらには,つねられたよう,えぐられたような,殴られたような,刺されたような,引っ張られたような,灼けるような,などなど。こちらは内的要因による痛みをよくある外的要因による痛みに置き換えて表現している。
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