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あとがき
泰羅 雅登
pp.722
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101532
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「思えば遠くにきたもんだ」。自分が大学院で研究を始めた頃は,ユニット(活動電位)の細胞外記録,細胞内記録,HRP注入が最新鋭の研究方法だった。今では当たり前にできるpretriggerによる加算平均も三栄の7T07シグナルプロセッサーにカセットテープからプログラムを読み込ませてやっとできた時代だった。霊長類研究所や東京都神経科学総合研究所のような最先端の研究室を除けばコンピュータなどはなく,記録はティアックのオープンリールのテープレコーダーに記録して,翌日,ソニーテクトロのオシロで再生し,光電の連続撮影装置でフィルム撮りが基本的なやり方だった。フィルム(or紙フィルム)は当然自分で現像。図はフィルムから印画紙に焼いて(蔽い焼きなどなど),切ってレイアウト用紙に貼り付けて,文字入れはレタリング。スライドはこのつくった図をカメラで撮影。大変だったのは大変だったが,できることは決まっているので,なんでもコンピュータでできる現代のほうが作業量は格段に増えているようにも思う。書き出すときりがないので,このあたりの昔話は,そのうち「一枚のスライド」の中でどなたかに話していただこうと思う。
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