特集 卒後臨床研修医必携
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大滝 純司
,
福岡 敏雄
,
田中 宣幸
,
白浜 雅司
,
谷口 純一
,
鈴木 富雄
,
茅野 眞男
pp.254-255
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902950
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Q1 患者とのコミュニケーションについて いろいろ学んだが,実行している先輩や指導 医はほとんどいない.本当に意味があるのか.
A 「初診患者への自己紹介」「傾聴」「プライバシーへの配慮」など,もちろんやっている人はやっているが,やっていない医療者が多いのも事実である.学生から上記のような質問を受けた時には,私は,実習に協力していただいている模擬患者(simulated patient:SP)の皆さんに意見を述べてもらう.SPは各自の医療体験をもとに,医療者の側から見れば些細なことのようでも,こうした配慮がいかに患者に安心感を与えるかを教えてくださる.「やる必要などない」と主張する先輩医療者の多くは,自分ができていないことを無理に合理化しているに過ぎないが,患者からの批判が医療者に届きにくい状況では,それもしかたがなかったのかもしれない.そうした先輩を見習うことなく,何よりも患者のために,コミュニケーションの基本を身につけていただきたい.
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