特集 プロの技としての身体診察
One more JIM
pp.228
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101651
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Q1 感度と特異度について,実際の臨床でどう考えるか教えてください.
A1 感度・特異度の特性は,以下のように示すことができるが,なかなか頭に入りにくい.さらにいえば,教えにくい.
感度は○○(疾患名)であるとき,検査陽性と判定される確率.感度が高い検査で検査陰性だと○○を除外できるが,陽性でも○○でない人もいる.
特異度は○○でないとき,検査陰性と判定される確率.特異度が高い検査で検査陽性だと○○と診断できるが,陰性だと否定できない.
そこで,SnNoutとSpPinという覚え方がある.スナウトとスピンと読む.
◦SnNout:Sensitivity(感度)が高い検査で検査陰性(Negative)の時,その疾患を除外(rule out)できる.
◦SpPin:Specificity(特異度)が高い検査で検査陽性(Positive)の時,その疾患の診断を確定(rule in)できる.
ということである.本文の例でいうと,網膜静脈拍動消失は,検査陰性(拍動あり)で,その疾患(頭蓋内圧亢進)を除外できるのでSnNoutのケースであり,感度が高い.黄疸,貧血は,検査陽性で診断できるのでSpPinのケースであり,特異度が高い.慣れてくれば,こんな語呂合わせもいらなくなるのかもしれないが,有用な教育ツールだと思う.
(本村 和久→p204)
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