特集 真夜中の総合診療
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pp.862
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101534
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Q1 小児は診察に協力してくれず重症かどうかの判断が難しいのですが,コツを教えてください.
A1 まずは診察室に入ってくる子どもをよく観察しましょう.自分から話したり笑ったり機嫌よくしている場合はまず大丈夫です.不機嫌そうにぐったりしている場合,周囲の人や物に関心を示さない場合は要注意です.意識レベルが悪いかもしれません.次に顔色が悪くないかみてみましょう.悪い場合は貧血や脱水などの循環障害があるかもしれません.
呼吸にも注意を払います.小児は年齢によって正常呼吸数が異なりますが,多呼吸は要注意です.成人では肩呼吸などが呼吸困難を示しますが,乳幼児では鼻翼呼吸や胸骨上・鎖骨上・胸骨下・肋骨弓下にみられる陥没呼吸が呼吸困難を示します.呼吸障害の徴候がみられる場合も要注意で対応します.次に母親から話を聞いて,普段との様子の違いや食事,睡眠がちゃんととれているか聞いてみましょう.母親は子どもを長期間にわたってよく観察しています.母親が普段と違って様子がおかしいという場合は,何かあるものと考えて注意して対応します.あとは子ども自身に語りかけ,丁寧に診察をしてください.見落としは少なくなると思います.(安 炳文→p832)
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