特集 被災地のプライマリ・ケア復興に向けて
【被災地のこれから】
被災地におけるプライマリ・ケアとプライマリ・ヘルス・ケア
長 純一
1
1石巻市立病院開成仮診療所
キーワード:
プライマリ・ケア
,
プライマリ・ヘルス・ケア
,
メンタルケア
,
仮設住宅
,
在宅ケア
,
地域包括ケア
Keyword:
プライマリ・ケア
,
プライマリ・ヘルス・ケア
,
メンタルケア
,
仮設住宅
,
在宅ケア
,
地域包括ケア
pp.55-57
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102715
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石巻市立病院開成仮診療所は,東北最大の仮設住宅である開成・南堺地区(1,882戸・4,600人)に2012年5月末に開設された.長年佐久の農村部で地域医療・地域包括ケアに取り組んできた筆者が,神戸での震災支援・仮設支援に継続して関わった経験を活かした被災者支援と地域包括ケアを地域に根付かせたいと考え,開設していただいた.
筆者の診療所の設立の目的は,社会格差が健康格差を生む最大要因でありそれをいかに減らすかという視点のもと,健康問題のプロ(医師法第一条)として,健康に関するさまざまな問題に関わることであった.仮設住宅の健康問題の課題は,コミュニティ機能が著しく低い仮設住宅内におけるメンタルケア(うつ・アルコール・PTSD)や生活不活発病予防であり,そのためには生活支援や地域保健活動がどう健康面に配慮されているか,さらには住宅や街づくりで健康面に配慮していくことがきわめて重要であることなどを考えた.そしてこれらに関わるには行政との連携がきわめて重要と考え行政と交渉したところ,被災した市立病院の仮診療所として開設していただくことになった経緯がある.
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