特集 被災地のプライマリ・ケア復興に向けて
【被災地のこれから】
プライマリ・ケアの立て直しは始まったばかり―本吉病院の事例から
川島 実
1
1気仙沼市立本吉病院院長
キーワード:
多職種連携
,
被災地医療(J1)
,
家庭医療
,
後期研修プログラム
Keyword:
多職種連携
,
被災地医療(J1)
,
家庭医療
,
後期研修プログラム
pp.52-54
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102714
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
歯科と連携して在宅で誤嚥性肺炎を乗り切った1例
患者:89歳,女性.
家族構成:独居.子はなく,義理の娘が近くにいて食事等の世話をしている.
現病歴:日中はほぼ床に褥瘡予防マットを敷いて臥床している.頑固で左側臥位にしかならず,左腸骨部に褥瘡形成し,在宅で介入している.家族が食事を出しておくと自力で起きてきて完食していたが,このところ自力では食べきれなくなり,家族が介助で食べさせていた.誤嚥のエピソードあり,発熱ありコール.家族はもう恐くて食べさせられないと訴える.隣町の病院への入院は本人も家族も望まない.呼吸状態悪く,crackleも聴取する.肺炎として在宅で点滴で治療.ケアマネジャーと相談しサービスを調整,解熱後に歯科が嚥下の評価・サポートに介入した.食べる姿勢や食べさせ方,ストローの使用をアドバイス.食欲も回復し,9病日には点滴不要となった.他職種との連携で,ご家族の食べさせることへの不安を取り除くことができた1例.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.