特集 被災地のプライマリ・ケア復興に向けて
【被災地のこれから】
被災地でのコミュニティ・ケア―プライマリ・ケアの本領を発揮する
孫 大輔
1
1東京大学医学教育国際協力研究センター
キーワード:
災害慢性期
,
仮設住宅
,
健康相談
,
健康教育
,
災害弱者
Keyword:
災害慢性期
,
仮設住宅
,
健康相談
,
健康教育
,
災害弱者
pp.62-63
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102717
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2011年3月11日の東日本大震災発生を受け,日本プライマリ・ケア連合学会は発災翌日に被災地支援プロジェクトチームPCAT(日本プライマリ・ケア連合学会 東日本大震災支援プロジェクト)を立ち上げ,災害急性期より多職種からなる医療従事者を多数現地へ派遣し,避難所や在宅被災者の医療支援を行った.その数は2011年9月末までの半年間で360名を越える.
筆者は災害慢性期に移行した2012年7月に宮城県東松島市の仮設住宅を訪問し,住民の方にヒアリングする機会を得た.仮設住宅住民の医療ニーズは「医療・保健専門職の訪問がほとんどない」,「(車などが流され)医療機関へのアクセスが悪い」,「通院中断やストレスなどにより慢性疾患(高血圧など)が悪化している」といったものであった.すなわち,プライマリ・ケアのACCCAのうち,Accessibility(アクセス性)とContinuity(継続性)の障害が顕著であったと言える.
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