特集 体重減少へのスーパー・アプローチ
【症例へのスーパー・アプローチ】
(6)多発関節痛と持続性の吐き気を訴える72歳男性の体重減少
石井 賢治
1
1佐賀大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
体重減少
,
多発関節痛
,
副腎皮質機能不全
,
下垂体腫瘍
,
甲状腺機能低下症
Keyword:
体重減少
,
多発関節痛
,
副腎皮質機能不全
,
下垂体腫瘍
,
甲状腺機能低下症
pp.590-592
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101167
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臨床情報1 外来での面接・身体所見
72歳の男性.半年前から両肩の痛みが出現.鍼灸院,整形外科医院を受診したが両手関節の痛みも出現し,夜は眠れなくなった.衣服の着脱も妻の介助が必要な状態となったため来院.肩の痛みについては整形外科で関節注射を受けると2日程度は痛みを忘れるが,その後に再発を繰り返す.
また吐き気が続き,体重が4カ月で4kg減少した.上部消化管内視鏡,腹部エコー検査を隣県の胃腸科医院で受けたが異常なく,上部消化管造影で胃の動きが悪いと説明を受けた.ドグマチール(R),ガスモチン(R)の処方を受けている.疼痛による不眠のためか,昼間も眠気が出てあくびが止まらない.
身体所見:身長165cm,体重50kg(BMI 18.4),脈拍72回/分 整,血圧112/70 mmHg,眼瞼結膜貧血なし,眼球結膜黄疸なし,頸部リンパ節腫脹なし,呼吸音異常なし,心音異常なし,下腿浮腫なし,肩の可動域制限を認め,上肢の筋萎縮が目立つ,左手関節の疼痛は強いが明らかな発赤,熱感,腫脹なし,皮疹や色素沈着なし.
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