体重減少患者におけるrefeeding syndrome

飽食の現代における栄養失調

　栄養不足といえば飽食の現代には無縁のような印象を受けるが，実際の診療において神経性食思不振症，アルコール依存症，乳幼児のネグレクト，介護放棄，消化管術後の吸収障害など，栄養障害をきたした患者に出会う場面は多い．

　昨今，多くの病院で病棟NST（nutritional support team）活動が盛んになっており，入院患者での栄養摂取不足の問題は起きにくくなっているが，逆に高度の栄養障害のある患者に対し，急速に栄養を補給することでrefeeding syndromeが惹起される危険性について知っておく必要がある．