特集 体重減少へのスーパー・アプローチ
【症例へのスーパー・アプローチ】
(5)統合失調症で精神科病院入院中の62歳女性の体重減少
小西 竜太
1
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター総合内科
キーワード:
体重減少
,
消化器腫瘍
,
印環細胞癌
,
NSAIDs潰瘍
,
骨転移
Keyword:
体重減少
,
消化器腫瘍
,
印環細胞癌
,
NSAIDs潰瘍
,
骨転移
pp.586-589
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101166
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臨床情報1 外来での面接・身体所見
体重減少+非ステロイド性鎮痛薬の頻用
62歳の女性.数カ月前より3kg程度の体重減少があったが,とくに症状はなかった.来院3日前より食欲低下と悪心が出現し,コーヒー残渣様嘔吐と発熱を認めたため,当院外来を紹介受診した.数カ月前より腰痛があり,整形外科から腰椎すべり症の診断で非ステロイド性鎮痛薬を処方されており,最近は痛みが増強していて頻回に鎮痛薬を使用していた.既往歴には統合失調症があり,長期間入院している.家族歴に特記すべきことはない.
身体所見では,身長150cm,体重45kg(BMI 20),血圧110/60mmHg,脈拍104/分 整,呼吸数26/分,体温37.7℃,意識レベルは傾眠あり,頭頸部所見では,眼瞼結膜が貧血様,呼吸音は清明,心音は整,収縮期雑音を心尖部に聴取され,腹部は軟,腫瘤は触知せず,圧痛なし.四肢に浮腫なし.神経学的所見としては,明らかな脳神経学的異常所見や麻痺,腱反射異常は認めなかった.
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