Japanese
English
症例報告
Reticulated acanthoma with sebaceous differentiationの1例
A case of reticulated acanthoma with sebaceous differentiation
三浦 譲司
1
,
夏賀 健
1
,
渡邉 美佳
1
,
得地 景子
1
,
柳 輝希
1
,
浜岡 秀爾
2
,
氏家 英之
1
George MIURA
1
,
Ken NATSUGA
1
,
Mika WATANABE
1
,
Keiko TOKUCHI
1
,
Teruki YANAGI
1
,
Shuji HAMAOKA
2
,
Hideyuki UJIIE
1
1北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室
2浜岡皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo, Japan
2Hamaoka Dermatology Clinic, Sapporo, Japan
キーワード:
付属器腫瘍
,
脂腺分化
Keyword:
付属器腫瘍
,
脂腺分化
pp.657-660
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207375
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要約 60歳台,女性.10年ほど前から出現した右臀部外側の無症候性の皮疹を主訴に受診した.右臀部に8×5 mmの過角化を伴う茶褐色斑を認め,ダーモスコピーにて表面の鱗屑,中央に黄色調および白色調領域,辺縁部にpigment networkを認めた.生検病理像で網状に肥厚した表皮に連続して脂腺細胞から成る小葉構造を伴っており,reticulated acanthoma with sebaceous differentiation(RASD)と診断した.診断確定後に全摘切除を施行し,その後再発を認めない.RASDは良性腫瘍ではあるが,放置して数年後に悪性化した例も報告されている.臨床所見としては黄色調の領域が特徴であり,ダーモスコピーで網状に見える場合も多い.基本的に無症状で経過するため,患者の病識が生まれにくい傾向にある.しかし,悪性化の観点から,RASDを疑ったら皮膚生検を施行して診断を確定させ,全摘切除を施行する必要がある.
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