Japanese
English
症例報告
急性膵炎に合併した皮下結節性脂肪壊死症の1例
A case of subcutaneous nodular fat necrosis with acute pancreatitis
倉地 祐之眞
1,2
,
古市 祐樹
1
,
入江 理恵
3
,
長村 義之
3
,
石橋 正史
1
Hironoshin KURACHI
1,2
,
Yuki FURUICHI
1
,
Rie IRIE
3
,
Yoshiyuki OSAMURA
3
,
Masafumi ISHIBASHI
1
1日本鋼管病院皮膚科
2さいたま市立病院皮膚科
3日本鋼管病院病理診断科
1Division of Dermatology, Nippon Koukan Hospital, Kawasaki, Japan
2Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
3Division of Pathology, Nippon Koukan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
急性膵炎
,
皮下結節性脂肪壊死症
Keyword:
急性膵炎
,
皮下結節性脂肪壊死症
pp.73-78
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206879
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要約 67歳,男性.腹痛を主訴に当院内科を受診し,アミラーゼ高値,炎症高値を指摘され,CT所見とあわせて急性膵炎の診断となった.発症時期は不明だが入院時から両側下腿に発疹が出現していた.両側下腿に5 mm大〜5 cm大の浸潤性紅斑,皮下硬結が散在し,疼痛と熱感,波動を認めた.紅斑の皮膚生検で,真皮全層および皮下脂肪織に壊死を伴う高度の炎症細胞浸潤を認め,壊死巣ではghost-like cellが存在した.以上の所見から急性膵炎に合併した皮下結節性脂肪壊死症と診断した.内科的加療が行われ膵炎は改善しなかったが,下肢安静および下腿の弾性包帯処置にて発疹は速やかに軽快した.皮下結節性脂肪壊死症は膵疾患のごく一部に合併し,複数の膵酵素や膵酵素以外の要素が関与する複雑な機序が想定され,局所のうっ滞の関与も示唆されている.
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