Japanese
English
症例報告
慢性膵炎に生じた皮下結節性脂肪壊死症
A case of subcutaneous nodular fat necrosis with chronic pancreatitis
船津 栄
1
,
勝岡 憲生
2
Sakae FUNATSU
1
,
Kensei KATSUOKA
2
1北里大学北里研究所メディカルセンター病院
2北里大学医学部皮膚科
1Kitasato Institute Medical Center Hospital,Saitama,Japan
2Department of Dermatology,Kitasato University Hospital,Sagamihara,Japan
キーワード:
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵性脂肪織炎
,
膵炎
Keyword:
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵性脂肪織炎
,
膵炎
pp.607-610
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103000
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 63歳,女性.膵炎の経過中,下肢を中心に暗赤色の拇指頭大の皮下結節が多発し,一部は手拳大の大きさになった.初診時,血清アミラーゼ2,437IU/lで上昇していた.病理組織にて脂肪小葉内の広範な壊死と融解像を認めた.壊死巣の一部では変性した脂肪細胞が核を失い,細胞膜の膨潤した像を呈しており皮下結節性脂肪壊死症と診断した.本疾患はリパーゼなどの膵逸脱酵素が関与して局所の脂肪融解を起こすと推測されている.症例の半数以上において皮疹が膵疾患に先行するため,本症を疑った場合,早急な組織学的検索が必要であると考える.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.