Japanese
English
症例報告
皮下結節性脂肪壊死症の2例
Two cases of subcutaneous nodular fat necrosis
岩崎 智子
1
,
永井 弥生
1
,
石川 治
1
Tomoko IWASAKI
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵癌
,
膵炎
Keyword:
皮下結節性脂肪壊死症
,
膵癌
,
膵炎
pp.879-882
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103789
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要約 症例1:81歳,女性.膵癌手術1年後に肝転移が確認され,3か月後に両下腿に疼痛を伴う,発赤の強い皮下硬結が出現した.血液検査にてアミラーゼの上昇はなかった.症例2:53歳,男性.胃癌手術の1か月後に両下腿に疼痛を伴う硬結が出現した.血液検査にてアミラーゼ2,269IU/l,リパーゼ976IU/lと膵酵素の著明な上昇があり,術後膵液漏の診断で外科に入院した.2症例とも病理組織学的に顕著な脂肪細胞の変性,壊死があり,ghost-like cellがみられた.皮下結節性脂肪壊死症は膵炎・膵癌などの膵疾患に伴って生じることが多く,症状の出現が原疾患の診断確定より先行する場合もある.下腿の有痛性の皮下結節をみたときには,本症を鑑別疾患の1つとして念頭に置き,基礎疾患の精査や病理組織学的な検討をする必要がある.
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