Japanese
English
症例報告
茨城県でみられたタカサゴキララマダニによる刺症の4例
Four cases of tick bite by Amblyomma testudinarium in Ibaraki prefecture
加倉井 真樹
1
,
島田 瑞穂
2,3
,
川端 寛樹
4
,
出光 俊郎
5,6
Maki KAKURAI
1
,
Mizuho SHIMADA
2,3
,
Hiroki KAWABATA
4
,
Toshio DEMITSU
5,6
1加倉井皮膚科クリニック
2自治医科大学健診センター
3足利赤十字病院内科
4国立感染症研究所細菌第一部
5上尾中央総合病皮膚科
6自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科
1Kakurai Clinic of Dermatology, Shimotsuma, Japan
2Health Care Center, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan
3Division of Internal Medicine, Ashikaga Red Cross Hospital, Ashikaga, Japan
4Department of Bacteriology-Ⅰ, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo Japan
5Division of Dermatology, Ageo Central General Hospital, Ageo, Japan
6Department of Dermatology, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama Japan
キーワード:
タカサゴキララマダニ
,
チマダニ属マダニ
,
マダニ刺症
,
ティックツイスター
Keyword:
タカサゴキララマダニ
,
チマダニ属マダニ
,
マダニ刺症
,
ティックツイスター
pp.67-72
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206877
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要約 8歳男児,49歳男性,59歳女性,72歳男性のタカサゴキララマダニ刺症の4例を経験した.1例は5 cmを超える紅斑を呈した.刺咬部位は大腿部が3例,前腕1例であった.マダニの摘出方法は,1例は白色ワセリン法,2例はティックツイスター®で,1例は鑷子で摘除した.4例ともその後に発熱,全身性紅斑や消化器症状はみられなかった.6年間で当診療所を受診したマダニ刺症は20例である.関東北部の平野部でもタカサゴキララマダニ刺症が発生すると認識する必要がある.タカサゴキララマダニは,フタトゲチマダニと並び重症熱性血小板減少症候群の原因ウイルスや日本紅斑熱等のリケッチアを媒介することがある.今後,茨城県でも重症熱性血小板減少症候群患者発生の可能性があるため,マダニ刺咬予防のための啓発活動ならびに適切なマダニ摘出法のための情報提供が重要である.
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