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あとがき
大山 学
pp.932
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206502
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このところめっきり都心に出かける機会が減ってしまったが,先日,所用があって実に久しぶりに大江戸線の国立競技場駅で下車した.この駅は以前の勤務地の最寄り駅であり,つい癖で千駄ヶ谷駅方面ではなく「使い慣れた」国立競技場の正面に出る出口から地上に出た.びっくりしたのはあたりの変わりようである.少し前まで,ちょっとした雑木林があって,知る人ぞ知るちゃんぽんや定食を出す渋い食堂があったが,オリパラで整備されそれはきれいなパブリックスペースとなっていた.
夏の盛りも過ぎ,少し涼しい風が抜ける競技場はパラリンピックのためにライトアップされていた.歓声のない静けさのなか,妙に滑舌の良い場内アナウンスだけが響いていたが,中では間違いなく熱い戦いが繰り広げられている様が感じられた.世間の目はどうしてもオリンピックに向いてしまうのであろうが,見て強く感動する場面はパラリンピックのほうが多いと感じるのは筆者だけであろうか.
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