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あとがき
大山 学
pp.754
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206776
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非常勤講師を務めている関係で,講義などでたまに母校を訪れる.現在,母校では新病院への立て替えが進んでいる.コロナ禍でちょっと見ないうちにモダンで明るい立派な病院に姿を変えつつあり,つい先日久方ぶりに正面玄関から入ったところ(通常裏口から入っているので)その良い意味での変貌ぶりにちょっと感動した.新しい建物は明るく,清潔感にあふれ,動線もよい.患者さんだけでなく,そこに働く人々も心地よく過ごすことができるだろう.関係者(それなりに寄附もした)として嬉しく感じている.
その一方で,学生・研修医時代に学んだ施設・校舎がなくなっていくことには一抹の寂しさも感じる.幸い新病院の裏手には古い図書館と校舎が健在である.新宿区の文化財のようなものになっているらしく,しばらくはその姿を留めてくれそうだ.中に入ると昔ながらの静謐な空間が迎えてくれる.時間の蓄積を本の匂いから感じることができる書庫の奥の自習机は,雲隠れしたいときのお気に入りの場所であった.それが今でも残り,後輩たちに利用されているのは喜ばしいことである.
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