Japanese
English
症例報告
黄白色調結節を呈したmastocytomaの1例
A case of mastocytoma presenting as a yellow-whitish nodule
瀬下 治孝
1,2
,
伊藤 友章
1,2
,
江草 智津
1,2
,
前田 龍郎
1,2
,
坪井 良治
1,2
,
大久保 ゆかり
1,2
,
原田 和俊
1,2
,
竹田 潮
3
Harutaka SESHIMO
1,2
,
Tomonobu ITO
1,2
,
Chizu EGUSA
1,2
,
Tatsuro MAEDA
1,2
,
Ryoji TSUBOI
1,2
,
Yukari OKUBO
1,2
,
Kazutoshi HARADA
1,2
,
Ushio TAKEDA
3
1東京医科大学皮膚科学分野
2東京医科大学病院
3しらゆり皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
2Tokyo Medical University Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Sirayuri Dermatology Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
mastocytoma
,
小児
,
黄白色
,
toluidine blue染色
,
KIT遺伝子
Keyword:
mastocytoma
,
小児
,
黄白色
,
toluidine blue染色
,
KIT遺伝子
pp.507-510
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206408
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要約 1歳,男児.生下時より左臀部に黄白色調の皮疹が出現し,増大したため当院紹介となった.初診時,左臀部に1cm大の黄白色調の充実性結節を認めた.生検の結果,HE染色像で,真皮全層に腫瘍細胞が増殖していた.トルイジンブルー染色で腫瘍細胞は異染性を示した.病変部位から抽出したDNAではKIT遺伝子変異は認めず,mastocytomaと診断した.海外では,肉眼的に黄白色調を呈しダーモスコピーで境界不明瞭な黄色がかった橙色のyellow-orange dotの所見を呈するmastocytomaの報告があるが,本邦でのこれまでの報告例は全て紅色調の結節のみであった.自験例は,肉眼的に黄白色調を呈し,ダーモスコピーでyellow-orange dotを示した邦人では稀なmastocyotomaの1例であった.黄白色調を呈しない皮疹においても,ダーモスコピーを使用すると,yellow-orange dotの所見を呈することがある.診断に有用であるため,積極的なダーモスコピーの使用が推奨される.
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