Japanese
English
症例報告
Verruciform xanthomaの2例—免疫組織染色を用いた発症の機序についての検討
Two cases of verruciform xanthoma:Investigation of pathogenesis using immunohistochemistry
鈴木 理紗
1
,
沼田 貴史
1
,
星野 優
1
,
瀬下 治孝
1
,
脇本 紘子
1
,
堺 則康
1
,
大久保 ゆかり
1
,
原田 和俊
1
Risa SUZUKI
1
,
Takafumi NUMATA
1
,
Yu HOSHINO
1
,
Harutaka SESHIMO
1
,
Hiroko WAKIMOTO
1
,
Noriyasu SAKAI
1
,
Yukari OKUBO
1
,
Kazutoshi HARADA
1
1東京医科大学皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
黄色腫
,
疣贅型黄色腫
,
泡沫細胞
,
ケラチン
,
マクロファージ
Keyword:
黄色腫
,
疣贅型黄色腫
,
泡沫細胞
,
ケラチン
,
マクロファージ
pp.827-833
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207104
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要約 症例1:52歳,男性.5年前に生じた左陰囊の結節が徐々に増大.症例2:76歳,男性.左陰囊の結節が増大.病理組織では,表皮の乳頭状増殖と,真皮の泡沫細胞の集簇および,脈管の拡張がみられverruciform xanthoma(VX)と診断した.免疫組織染色により,一部の泡沫細胞はmacrophage scavenger receptor-1(MSR-1)が陽性の樹状細胞またはマクロファージに由来すると考えた.また,泡沫細胞はpankeratin陽性であり,VXを構成する脂質が,変性した角化細胞由来であることが示唆された.すなわち,樹状細胞やマクロファージが,MSR-1を介して真皮内の角化細胞由来の脂質を認識し,貪食することで泡沫細胞となると考えた.したがって,外科的切除をした後も局所的な刺激や慢性炎症が継続している場合には,再発に注意する必要があると考えた.
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