Japanese
English
症例
ゼラチン貼付剤でアナフィラキシーショックを生じた1例
Anaphylactic shock caused by gelatin patch
瀬下 治孝
1
,
伊藤 友章
1
,
小林 知子
1
,
江草 智津
1
,
大久保 ゆかり
1
,
原田 和俊
1
,
安原 尚
2
Harutaka SESHIMO
1
,
Tomonobu ITO
1
,
Tomoko KOBAYASHI
1
,
Chizu EGUSA
1
,
Yukari OKUBO
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Nao YASUHARA
2
1東京医科大学,皮膚科学分野(主任:原田和俊教授)
2東京ステーション歯科クリニック,東京都中央区
キーワード:
アナフィラキシーショック
,
スポンゼル®
,
止血用ゼラチン
,
プリックテスト
,
IgE
Keyword:
アナフィラキシーショック
,
スポンゼル®
,
止血用ゼラチン
,
プリックテスト
,
IgE
pp.1243-1246
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003385
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23歳,女性。1カ月前に止血用ゼラチン貼付剤(スポンゼル®)を用いて抜歯した。同剤を使用し2回目の抜歯時に,全身の紅斑,意識障害が出現し,アナフィラキシーショックと診断された。検査でゼラチン特異的IgE抗体は284IU/ml(class 6),プリックテスト(ゼラチン貼付剤)は4+で陽性であった。ウエスタンブロット法では,ゼラチンで160kDa-10kDaまで連続するバンドを認め,成分である豚皮,牛骨髄でゼラチンと同様の分子量のバンドを確認した。以前はゼラチン含有ワクチンの接種で,ゼラチンアレルギーが多く報告されていたが,2002年より,ゼラチンフリー対策により減少している。しかし,自験例のように歯科治療時にゼラチンを使用することもあるため,事前の問診が重要である。
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