Japanese
English
症例報告
Epstein-Barrウイルス関連蚊刺過敏症の1例
A case of Epstein-Barr virus-associated hypersensitivity to mosquito bites
関山 紘子
1
,
福田 浩孝
1
,
簗場 広一
1
Hiroko SEKIYAMA
1
,
Hirotaka FUKUTA
1
,
Koichi YANABA
1
1東京慈恵会医科大学飾医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
Epstein-Barrウイルス関連蚊刺過敏症
,
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症
,
Epstein-Barrウイルス関連T/NK細胞増殖性疾患
Keyword:
Epstein-Barrウイルス関連蚊刺過敏症
,
慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症
,
Epstein-Barrウイルス関連T/NK細胞増殖性疾患
pp.925-930
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206190
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要約 17歳,女性.蚊に刺された部分の水疱形成と,周囲の発赤と腫脹,38℃台の発熱を認めたため蜂窩織炎の疑いで紹介され当院を受診した.抗菌薬とプレドニゾロンの内服で症状は改善したが,1か月後に再度蚊に刺された際に同様の症状を繰り返し再診した.病理組織学的に蚊刺部にCD4+T細胞の増殖とEBER(Epstein-Barr virus-encoded small nuclear RNA)陽性リンパ球の浸潤を認めたこと,末梢血中EBV(Epstein-Barr virus)-DNA量3.6×104copies/cellsと高値であったことから,Epstein-Barr(EB)ウイルス関連蚊刺過敏症と診断した.EBウイルス関連蚊刺過敏症はEBウイルスが感染したT/NK細胞がモノクローナルに増殖する疾患群の一型である.蚊刺刺激によるCD4+T細胞の増殖は,発熱などの全身症状の出現と関与していることが知られているが,近年EBウイルスT/NK細胞の増殖にも関与していることが明らかとなった.自験例では蚊刺部でCD4+T細胞が増殖しており,症状出現のみならず疾患の進行を抑制するためにも,蚊刺刺激を避けることの重要性が示唆された症例であった.
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