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Rinsho Hifuka Volume 74, Issue 4 （April 2020）

臨床皮膚科 74巻4号（2020年4月発行）

Japanese English

症例報告

LAD-1に対するIgG抗体を検出した水疱性類天疱瘡の1例 A case of bullous pemphigoid with IgG antibodies against LAD-1 川島啓道 ¹ , 飛田泰斗史 ¹ , 田蒔舞子 ² , 石井文人 ³ , 橋本隆 ⁴ , 福原耕作 ⁵ Hiromichi KAWASHIMA ¹ , Yasutoshi HIDA ¹ , Maiko TAMAKI ² , Norito ISHII ³ , Takashi HASHIMOTO ⁴ , Kosaku FUKUHARA ⁵ ¹徳島赤十字病院皮膚科 ²徳島大学病院皮膚科 ³久留米大学病院皮膚科 ⁴大阪市立大学大学院医学研究科皮膚態学 ⁵福原皮膚科 ¹Division of Dermatology, Tokushima Red Cross Hospital, Komatsushima, Japan ²Division of Dermatology, Tokushima University Hospital, Tokushima, Japan ³Division of Dermatology, Kurume University Hospital, Fukuoka, Japan ⁴Department of Dermatology, Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka, Japan ⁵Fukuhara Dermatology, Tokushima, Japan キーワード： LAD-1 , 水疱性類天疱瘡 , 抗BP180NC16A抗体 , 抗体プロファイル Keyword: LAD-1 , 水疱性類天疱瘡 , 抗BP180NC16A抗体 , 抗体プロファイル pp.317-321

発行日 2020年4月1日 Published Date 2020/4/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205987

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要約　68歳，女性．2017年6月頃より前胸部や下腿に水疱が出現し，口腔内にも水疱が出現するようになり，当科受診した．病理組織像は表皮下に裂隙形成があり，リンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を認めた．ELISA法で抗BP180NC16A抗体は陰性で，蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgG，C3のみ沈着していた．免疫ブロット法でlinear IgA bullous dermatosis antigen-1(LAD-1)に対するIgG抗体のみを認め，同抗体による水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)と診断した．治療としてはニコチン酸アミド内服とステロイド外用で皮疹は軽快した．口腔内のびらんは時々単発するが，自覚症状は軽微である．抗LAD-1 IgG抗体のみ陽性のBP患者の報告例をまとめると，浮腫性紅斑が少なく，治療反応性が良い傾向がみられた．BPは抗体プロファイルにより治療反応性が異なり，抗体プロファイルを調べることは予後の予測に有用である．