Japanese
English
症例報告
肺移植後に発症したMycobacterium abscessusによる非結核性抗酸菌症の1例
A case of Mycobacterium abscessus infection in a lung transplant recipient
前 琴絵
1
,
大谷 稔男
1
,
山形 昴
2
,
時岡 史明
2
Kotoe MAE
1
,
Toshio OHTANI
1
,
Subaru YAMAGATA
2
,
Fumiaki TOKIOKA
2
1倉敷中央病院皮膚科
2倉敷中央病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Kurashiki Central Hospital, Kurashiki, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Kurashiki Central Hospital, Kurashiki, Japan
キーワード:
肺移植
,
Mycobacterium abscessus
,
非結核性抗酸菌症
,
質量分析装置
,
多剤併用療法
Keyword:
肺移植
,
Mycobacterium abscessus
,
非結核性抗酸菌症
,
質量分析装置
,
多剤併用療法
pp.1109-1113
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205912
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要約 53歳,女性.肺移植を受けた2か月半後に,右下腿の紅斑が生じ,当科を受診した.病理組織学的に真皮の炎症性肉芽腫を認め,生検標本の培養で抗酸菌が発育した.質量分析装置でMycobacterium abscessusと同定した.ほぼ同時期に行った喀痰培養でも同菌を検出したが,血液培養は陰性だった.胸腹部CTで異常所見は認めなかった.アミカシン,イミペネム・シラスタチン,クラリスロマイシンの併用療法を4週間行ったところ,皮疹は軽快し,喀痰培養も陰性化した.現在,クラリスロマイシン,ファロペネムナトリウム,レボフロキサシンの内服を3か月続けているが,再発はみられていない.臓器移植後に生じるMycobacterium abscessusの感染部位として,皮膚は稀でなく,播種性感染の初発症状となることもある.Mycobacterium abscessusによる非結核性抗酸菌症は難治例も多いため,早期に診断し治療を開始することが重要である.
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