Japanese
English
症例報告
Mycobacterium abscessusによる腹膜透析カテーテル出口部感染の1例
A case of peritoneal dialysis-associated infection caused by Mycobacterium abscessus
喜多野 誠哉
1
,
橋爪 秀夫
2
,
兼子 泰一
3
Seiya KITANO
1
,
Hideo HASHIZUME
2
,
Yasuhito KANEKO
3
1島田市立総合医療センター皮膚科
2磐田市立総合病院皮膚科
3かねこ皮膚科
1Division of Dermatology, Shimada General Medical Center, Shimada, Japan
2Division of Dermatology, Iwata General Medical Center, Iwata, Japan
3Kaneko Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
Mycobacterium abscessus
,
カテーテル出口部感染
,
腹膜透析
,
非結核性抗酸菌症
Keyword:
Mycobacterium abscessus
,
カテーテル出口部感染
,
腹膜透析
,
非結核性抗酸菌症
pp.1107-1110
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206855
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要約 61歳,男性.腎硬化症による慢性腎臓病のため,腹膜透析開始した1年後から腹膜透析カテーテル出口部に結節および膿瘍が出現した.膿瘍は皮下脂肪織から腹直筋まで達していた.出口部の抗酸菌染色にてガフキー1号,培養および質量分析にてMycobacterium abscessusと同定された.感受性のあるクラリスロマイシンおよびレボフロキサシンによる多剤併用療法にて難治であったため,腹膜透析カテーテル抜去および膿瘍部の外科的切除を併せ,同じ2剤の投与を6か月行い,治癒した.自験例では創部の洗浄を井戸から供給されていた水を入れた浴槽で行っていた.また,メダカを飼育しており,飼育している水槽内の水から抗酸菌染色にてガフキー5号,培養および質量分析にてM. abscessusが検出されたこともあわせ,自宅内感染であることが推測された.難治なカテーテル出口部感染(exit-site infection)では非結核性抗酸菌症を鑑別する必要がある.
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