雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Rinsho Hifuka Volume 73, Issue 13 （December 2019）

臨床皮膚科 73巻13号（2019年12月発行）

Japanese English

症例報告

術後28年に再発した左大腿部悪性黒色腫の1例 A case of left femoral malignant melanoma recurring 28 years after surgical removal 長谷川巧 ¹ , 八代浩 ¹ , 長谷川義典 ¹ , 早川幸紀 ² Takumi HASEGAWA ¹ , Hiroshi YATSUSHIRO ¹ , Yoshinori HASEGAWA ¹ , Yukinori HAYAKAWA ² ¹福井県済生会病院皮膚科 ²早川皮膚科形成外科医院 ¹Division of Dermatology, Fukui Prefectural Saiseikai Hospital, Fukui, Japan ²Hayakawa Clinic of Dermatology and Plastic Surgery, Fukui, Japan キーワード：悪性黒色腫 , ultra-late recurrence , tumor cell dormancy , self skin examination Keyword: 悪性黒色腫 , ultra-late recurrence , tumor cell dormancy , self skin examination pp.1105-1108

発行日 2019年12月1日 Published Date 2019/12/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205911

PDF(2039KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

要約　49歳，女性．21歳時に他院にて左大腿の悪性黒色腫切除，および左鼠径リンパ節郭清(リンパ節転移なし)された．術後補助療法としてDAV-フェロン6クール施行され，その後は10年間フォローにて再発みられなかったため終診となった．術後28年後に左大腿内側部に皮下結節を自覚したため当科を受診され，皮膚生検にて悪性黒色腫の再発と診断．局所麻酔下に切除し，遺伝子検査にてBRAF変異あり，PD-L1陰性であることを確認した．術後補助療法としてダブラフェニブ＋トラメチニブ併用療法にて経過観察中である．自験例は，術後28年目に皮下転移として悪性黒色腫が再発しており，ultra-late recurrence(術後15年以上での再発)の症例と考えられた．本邦でのultra-late recurrenceの報告例は，自験例を含め8例と非常に少なかった．稀だが，悪性黒色腫は初回治療から10年以上経過後に再発することがあり，患者教育とともに長期のフォローが必要である．