Japanese
English
症例報告
免疫抑制患者に発症したMycobacterium abscessusによる播種性非結核性抗酸菌症の1例
Disseminated Mycobacterium abscessus infection in an immunocompromised patient
島 香織
1
,
山上 優奈
1
,
一ノ名 晶美
1
,
櫻井 弓子
1
,
戸田 憲一
2
,
吉川 義顕
1
Kaori SHIMA
1
,
Yuna YAMAGAMI
1
,
Masami ICHINONA
1
,
Yumiko SAKURAI
1
,
Kenichi TODA
2
,
Yoshiaki YOSHIKAWA
1
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院皮膚科
2扇町公園皮膚科クリニック
1Division of Dermatology, Kitano Hospital, The Tazuke Kofukai Medical Research Institute, Osaka, Japan
2Ougimachi Park Skin Clinic, Osaka, Japan
キーワード:
播種性非結核性抗酸菌症
,
TNF-α阻害薬
,
免疫抑制患者
,
Mycobacterium abscessus
Keyword:
播種性非結核性抗酸菌症
,
TNF-α阻害薬
,
免疫抑制患者
,
Mycobacterium abscessus
pp.713-716
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205507
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要約 83歳,男性.2005年からリウマチ性多発筋痛症に対しプレドニゾロンの投与を継続していた.さらに,2014年12月からは膿疱性乾癬に対しインフリキシマブを投与していたが,2017年2月に大腸癌が見つかったためインフリキシマブは中止した.同年4月に右手首の皮下腫瘤を自覚し,同年5月には発熱を認め精査加療目的で入院となった.右手首の皮下腫瘤の穿刺液と血液の両者よりMycobacterium abscessusが同定されたが,画像検査では肺や他臓器に病変は確認されなかったため,皮膚から血行性に播種したM. abscessusによる播種性非結核性抗酸菌症と診断し,速やかに抗菌薬多剤併用療法を開始したことで寛解に至った.M. abscessusによる播種性非結核性抗酸菌症は頻度の低い疾患ではあるが,免疫抑制患者やTNF-α阻害薬使用患者においては念頭に置くべき感染症の1つであると考えた.
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