Japanese
English
症例報告
発症から診断までに10年以上が経過した粘膜類天疱瘡の1例
A case of mucous membrane pemphigoid definitively diagnosed after 10-year follow-up
鈴木 丈雄
1
,
新熊 悟
1
,
荻根沢 真帆子
1
,
会沢 敦子
1
,
高橋 奈央
2
,
泉 健太郎
3
,
氏家 英之
3
,
西江 渉
3
,
阿部 理一郎
1
Takeo SUZUKI
1
,
Satoru SHINKUMA
1
,
Mahoko OGINEZAWA
1
,
Atsuko AIZAWA
1
,
Nao TAKAHASHI
2
,
Kentaro IZUMI
3
,
Hideyuki UJIIE
3
,
Wataru NISHIE
3
,
Riichiro ABE
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
3北海道大学医学研究院皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science, Niigata, Japan
2Department of Otolaryngology Head and Neck Surgery, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata, Japan
3Department of Dermatology Hokkaido University, Sapporo, Japan
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
眼病変
,
正常粘膜
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
眼病変
,
正常粘膜
pp.813-817
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205845
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 73歳,男性.初診の10年以上前から口腔,鼻腔および咽喉頭粘膜にびらん,潰瘍が出現した.近医耳鼻科でBehçet病を疑われ,プレドニゾロンやコルヒチンの内服などで治療されたが,難治であった.また,初診の3年前から眼球癒着を生じ,眼科で内反症解除術・眼球癒着解除術を施行されたが,術後1か月で再び癒着した.口腔内の難治性潰瘍の精査・加療目的に当科を紹介され受診した.歯肉びらん部の病理組織像では粘膜上皮・固有層間に裂隙を認めた.無疹部であった口唇粘膜の生検組織を用いた蛍光抗体直接法では粘膜上皮直下に線状のIgG沈着を認め,1M食塩水剝離ヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法では患者血清IgGが裂隙の表皮側に沈着した.以上から,抗BP180型粘膜類天疱瘡と考えた.皮膚病変が軽症な粘膜類天疱瘡では,他科で診断が不確定なまま粘膜の難治性潰瘍として長期間治療されることがあるため,他科との密な連携が必要である.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.