Japanese
English
症例
尋常性天疱瘡寛解患者に生じた抗BP180抗体・抗ラミニン332抗体両者陽性の粘膜類天疱瘡
Mucous membrane pemphigoid with both anti-BP180 and anti-laminin 332 antibodies in a patient with remitted pemphigus vulgaris
細川 祐太郎
1
,
端本 宇志
1
,
石井 文人
2
,
佐藤 貴浩
1
Yutaro HOSOKAWA
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
,
Norito ISHII
2
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校,皮膚科学教室(主任:佐藤貴浩教授)
2久留米大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
抗ラミニン332抗体
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
抗ラミニン332抗体
pp.1367-1370
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004753
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80歳,女性。70歳時に粘膜優位型尋常性天疱瘡を発症し,ステロイド薬内服で寛解状態であった。79歳時に頰粘膜,硬口蓋,口唇などにびらんと体幹部の瘙痒を伴う紅斑や緊満性水疱が出現した。皮膚生検で好酸球や好中球浸潤を伴う表皮下水疱がみられた。蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGが沈着し,蛍光抗体間接法で表皮側・真皮側両者にIgGが線状に沈着していた。粘膜類天疱瘡と診断した。眼球,陰部,喉頭蓋の症状や悪性腫瘍の合併はなかった。ステロイド薬内服によく反応した。免疫ブロット法でBP180C末端,ラミニン332に対するIgG抗体を検出した。両者への抗体を有する粘膜類天疱瘡の既報告例は低リスク群に相当することが多く,治療反応性も良好な傾向がみられた。
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