Japanese
English
症例報告
Blue toe症候群類似の足趾潰瘍を呈した本態性血小板血症の1例
A case of essential thrombocythemia with toe ulcer similar to blue toe syndrome
嵩 幸恵
1
,
水川 良子
1
,
下田 由莉江
1
,
高山 信之
2
,
大山 学
1
Sachie KASAMI
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Yurie SHIMODA
1
,
Nobuyuki TAKAYAMA
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部第2内科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Second Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
本態性血小板血症
,
Blue toe症候群
,
足趾潰瘍
,
JAK2 V617F遺伝子変異
Keyword:
本態性血小板血症
,
Blue toe症候群
,
足趾潰瘍
,
JAK2 V617F遺伝子変異
pp.808-812
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205844
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要約 59歳,男性.初診2か月前から左第2趾が暗紫色調となり疼痛が出現し拡大した.前医でblue toe症候群が疑われたが皮膚生検でも確定診断に至らなかった.初診時,右第1趾に大豆大の潰瘍を認め,左第2趾,右第1,4趾はチアノーゼ様であった.左第2趾の皮膚生検で血管拡張と血栓を認め,抗血小板療法を開始した.初診時,軽度の血小板増加(55.6×104/μl)がみられたことから,血液疾患を疑い精査を進めたところ,JAK2 V617F遺伝子変異陽性,骨髄生検で過分葉の大型巨核球増加がみられ,本態性血小板血症と診断した.血小板数は70×104/μl台まで増加したがヒドロキシウレア内服により改善し,遷延していた潰瘍も上皮化した.現在までに潰瘍やチアノーゼの再燃はない.難治性の皮膚潰瘍では血小板数が異常高値でなくとも,本態性血小板血症を疑い精査する必要があると考えた.
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