Japanese
English
症例
重篤な喉頭粘膜疹により気管切開を要した水疱性類天疱瘡の1例
Bullous Pemphigoid Associated with Severe Laryngeal Involvement Necessitating Tracheostomy
鬼頭 由紀子
1,2
,
浦野 聖子
2
,
望月 大極
3
,
関 敦郎
3
,
氏家 英之
4
,
西江 渉
4
Yukiko KITO
1,2
,
Shoko URANO
2
,
Daiki MOCHIZUKI
3
,
Atsuro SEKI
3
,
Hideyuki UJIIE
4
,
Wataru NISHIE
4
1きとう皮膚科
2JA静岡厚生連遠州病院,皮膚科(主任:浦野聖子副院長)
3同,耳鼻咽喉科
4北海道大学大学院医学研究科,皮膚科学分野
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
喉頭粘膜疹
,
気管切開
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
喉頭粘膜疹
,
気管切開
pp.1757-1761
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001038
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67歳,男性。全身の浮腫性紅斑,緊満性水疱,軟口蓋のびらんを認め入院した。ステロイド全身投与と免疫グロブリン大量静注療法を併用するも,咽頭痛と唾液の飲み込みにくさが出現した。喉頭鏡にて喉頭浮腫を認め,緊急気管切開を要した。抗BP180抗体(ELISA)は2310U/mlと高値であった。病理組織学的所見では表皮下水疱を認め,1M食塩水で処理したsplit skinによる蛍光抗体間接法ではIgGが表皮側に陽性であった。表皮抽出液を用いた免疫ブロット法ではIgGが230kDaの蛋白(BP230)に陽性であった。BP180のC末端のリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法ではIgGがごく弱く陽性であった。口腔粘膜疹がみられる例では,自験例のような重篤な喉頭粘膜疹を合併する可能性があることを念頭に置き,診療にあたる必要がある。
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