Japanese
English
症例報告
動眼神経麻痺をきたした帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster with oculomotor nerve palsy
千々和 智佳
1
,
田中 隆光
1
,
林 耕太郎
1
,
深谷 早希
1
,
石川 武子
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
河村 保臣
2
,
多田 弥生
1
Chika CHIJIWA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yasuomi KAWAMURA
2
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部脳神経内科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Neurology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
動眼神経麻痺
,
眼瞼浮腫
Keyword:
帯状疱疹
,
動眼神経麻痺
,
眼瞼浮腫
pp.429-433
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205759
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要約 70歳,男性.初診の3日前から右鼻背部,眼瞼,側頭部に有痛性皮疹が出現し,2日前から眼瞼浮腫のため開眼困難となった.同部に紅暈を伴う小水疱が集簇していた.眼科診察では角膜潰瘍,結膜充血を認めた.ビダラビンを5日間点滴し皮疹は痂皮化した.ビダラビン投与終了8日後に,眼瞼浮腫はやや改善し開瞼障害が明らかとなり,上転・下転・内転障害と縮瞳異常を認めた.MRIでは下直筋に信号上昇を認めた.メチルプレドニゾロン1gを3日投与し,続けてプレドニン50mg内服とし,適宜漸減し54日間で終了し神経症状は改善した.帯状疱疹に伴う外眼筋麻痺では,早期から麻痺が併存し眼瞼浮腫などで症状がマスクされている例もあり慎重な診察と十分な経過観察が必要である.また,開眼困難例では,動眼神経麻痺による眼瞼下垂の可能性も考慮し,眼球運動障害の有無を積極的に調べる必要がある.
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