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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
2.皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎患者のデュピルマブ治療による結膜炎はIgE高値とTARC高値に関連するが臨床的重症度とは相関しない
Conjunctivitis in patients with atopic dermatitis treated with dupilumab is associated with higher baseline serum levels of immunoglobulin E and thymus and activation-regulated chemokine but not clinical severity in a real-world setting
内田 秀昭
1
,
鎌田 昌洋
1
,
長田 麻友美
1
,
深谷 早希
1
,
林 耕太郎
1
,
福安 厚子
1
,
田中 隆光
1
,
石川 武子
1
,
大西 誉光
1
,
多田 弥生
1
Hideaki UCHIDA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Mayumi NAGATA
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Atsuko FUKUYASU
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
デュピルマブ
,
結膜炎
,
IgE
,
TARC
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
デュピルマブ
,
結膜炎
,
IgE
,
TARC
pp.55-58
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206647
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summary
アトピー性皮膚炎の治療として,デュピルマブは高い有効性と安全性を示し,本邦では2018年に使用可能となった.一方で,副作用としてしばしば結膜炎を発症することが知られている.当院でデュピルマブを導入したアトピー性皮膚炎の患者57例を対象に検討したところ,13例(22.8%)が結膜炎を生じていた.結膜炎を発症した患者では,発症しなかった患者に比べ,デュピルマブ導入前の血清IgE値およびTARC値が有意に高値であり,それらのカットオフ値はIgE 3,342IU/mlにおいて感度69.2%,特異度79.6%,TARC 11,200pg/mlにおいて感度76.9%,特異度69.8%で,AUCはいずれも0.76であった.臨床的な重症度は両群において有意差を認めなかった.本研究により,実臨床において血清IgE値およびTARC値がデュピルマブによる結膜炎の発症予測因子となりうることが示唆された.
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