Japanese
English
症例報告
爪囲の結節から診断しえた結節性硬化症の1例
A case of tuberous sclerosis diagnosed by periungual nodular tumor
北原 博一
1
,
三宅 亜矢子
1
Hirokazu KITAHARA
1
,
Ayako MIYAKE
1
1稲城市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Inagi Municipal Hospital, Inagi, Japan
キーワード:
結節性硬化症
,
Koenen腫瘍
,
血管筋脂肪腫
,
multifocal micronudular pneumocyte hyperplasia
Keyword:
結節性硬化症
,
Koenen腫瘍
,
血管筋脂肪腫
,
multifocal micronudular pneumocyte hyperplasia
pp.423-428
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205758
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要約 68歳,女性.右第3趾爪囲の結節を主訴に当院を受診し,切除したところ病理診断は被角線維腫であった.右第1趾爪囲にも第3趾と似た皮膚腫瘍があり,既往歴に多発腎血管筋脂肪腫があったため結節性硬化症を疑い,全身検索を施行した.体幹部に5mm以上の複数の白斑を認め,また画像検索にて両側肺野にすりガラス様のびまん性結節影,縦郭部の神経原性腫瘍を認めた.診断基準と照らし合わせ結節性硬化症と診断,足趾爪囲の結節もKoenen腫瘍と診断した.肺病変は25年前の乳癌術後より画像上指摘されており,肺転移と診断され長期間抗癌剤治療されていたが著変なく,結節性硬化症に伴う病変と考えられた.以前からさまざまな画像所見上の異常を認めていたにもかかわらず,結節性硬化症の診断に時間を要した1例であった.結節性硬化症における個々の皮膚所見は比較的珍しくはないが,問診や既往歴も踏まえて結節性硬化症を疑うことが重要と考えられた.
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