Japanese
English
症例報告
深達性潰瘍を呈したセメント熱傷の1例
A case of cement burn with resultant deep ulcers
千々和 智佳
1
,
田中 隆光
1
,
林 耕太郎
1
,
深谷 早希
1
,
石川 武子
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
多田 弥生
1
Chika CHIJIWA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
セメント熱傷
,
生コンクリート
Keyword:
セメント熱傷
,
生コンクリート
pp.1039-1043
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205585
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要約 48歳,男性.職業は土木作業員.作業中に生コンクリートがズボンの隙間から入り,両側大腿と両側の長靴内の下腿が浸漬された.4時間後に疼痛が出現したが放置し,8時間後に紅斑がみられたため洗浄したが,15時間後に疼痛が増悪し救急搬送された.両下腿の長靴の履き口に沿って全周性の紅斑,小水疱,びらんを認め,下腿内側に線状の紅斑,大腿前面にも紅斑,小水疱を認めた.ステロイド外用薬,潰瘍治療薬などで保存的に加療し大腿の紅斑は色素沈着となったが,下腿の病変は2週間後に白色から黄色の壊死組織の付着する深い潰瘍を呈した.デブリードマンと分層植皮術後,1週間持続吸引療法を施行した.植皮の生着は良好で,術後約2週間後にはほぼ上皮化し退院となった.セメント熱傷は,初診時軽症に見えても重症化しやすく慎重に経過をみる必要があると考えた.
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