Japanese
English
症例報告
爪白癬から感染したTrichophyton rubrumによる眉毛部顔面白癬の1例
A case of tinea faciei on the eyebrow caused by Trichophyton rubrum infected from tinea unguium
北原 博一
1
,
稲本 伸子
1
,
本田 治樹
1
,
矢口 貴志
2
,
佐藤 友隆
1,3
Hirokazu KITAHARA
1
,
Nobuko INAMOTO
1
,
Haruki HONDA
1
,
Takashi YAGUCHI
2
,
Tomotaka SATO
1,3
1北里大学北里研究所病院皮膚科
2千葉大学真菌医学研究センター
3帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Kitasato Institute Hospital Kitasato University, Tokyo, Japan
2Medical Mycology Research Center, Chiba University, Chiba, Japan
3Department of Dermatology, Teikyo University Chiba Medical Center, Ichihara, Japan
キーワード:
顔面白癬
,
眉毛部
,
爪白癬
,
Trichophyton rubrum
Keyword:
顔面白癬
,
眉毛部
,
爪白癬
,
Trichophyton rubrum
pp.435-439
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205760
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要約 77歳,男性.眉毛部の紅斑を主訴に受診.ステロイド外用にて治療開始したが,紅斑が増悪した.眉毛のKOH直接鏡検より菌糸を認め,顔面白癬と診断した.妻にMicrosporum canisによる顔面白癬で,テルビナフィン内服による加療歴があり,また敷地内に野良猫が複数おり容易に接触できる環境であったためM. canisによる顔面白癬を疑った.一方で患者の足趾爪甲に白濁病変があり,鏡検にて菌糸を認め爪白癬と診断した.顔面白癬の原因菌を同定するため,眉毛および爪から培養したところ,同様の集落を形成し,菌学的検査にて両者ともTrichophyton rubrumと確定した.顔面白癬の感染経路として,動物や柔道・レスリング選手同士などでの感染が報告される一方で,爪白癬などによる自家播種も考慮すべきであり,感染源特定に培養同定検査が有用であった1例を報告する.
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