Japanese
English
症例報告
特異な分布を呈し診断に苦慮した落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus with difficulty in the diagnosis due to peculiar distribution
並木 かほる
1
,
林 耕太郎
1
,
長屋 祐圭
1
,
深谷 早希
1
,
田中 隆光
1
,
石川 武子
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
東海林 琢男
2
,
多田 弥生
1
Kaoru NAMIKI
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Yuka NAGAYA
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Takuo TOKAIRIN
2
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部病理学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
間擦部
,
細菌感染
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
間擦部
,
細菌感染
pp.403-407
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205755
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要約 69歳,女性.9か月前から臀部に紅斑が出現し,5か月前にはびらんを伴い拡大増数した.初診時,軀幹,四肢に手掌大までの鱗屑を伴う紅斑が不規則に散在し,一部にびらんを伴っていた.びらんは主に腋窩・鼠径など間擦部に分布しており,眼囲,鼻翼にも湿潤性紅斑が見られた.組織学的には棘融解細胞を伴う表皮内水疱で,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG,C3の沈着がみられた.抗デスモグレイン1抗体は3,710U/mlと上昇.以上より落葉状天疱瘡と診断し,プレドニゾロン40mgから投与開始し軽快した.長期臥床に伴う拘縮に起因するニコルスキー現象によって,間擦部主体の特異な分布になり,さらに慢性の擦過と局所の細菌感染により遷延する湿潤性紅斑を呈し非典型的な分布と臨床像をとったと考えられ,診断時に個々の患者の状態を勘案することも肝要であると考えられた.
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