Japanese
English
症例報告
下肢の左側に限局したペラグラの1例
A case of pellagra limited to the left side of lower legs
濱田 薫
1,2
,
廣正 佳奈
1,2
,
迫田 礼子
3
,
岡田 悦子
2
,
中村 元信
2
Kaoru HAMADA
1,2
,
Kana HIROMASA
1,2
,
Reiko SAKOTA
3
,
Etsuko OKADA
2
,
Motonobu NAKAMURA
2
1独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科
3独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院神経内科
1Division of Dermatology, Japan Community Health care Organization Kyushu Hospital, Kitakyushu, Japan
2University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
3Division of Neurology, Japan Community Health care Organization Kyushu Hospital, Kitakyushu, Japan
キーワード:
ペラグラ
,
胃全摘
,
アルコール多飲
,
家庭内別居
,
末梢神経障害
Keyword:
ペラグラ
,
胃全摘
,
アルコール多飲
,
家庭内別居
,
末梢神経障害
pp.35-40
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205293
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要約 71歳,男性.初診の2か月前頃より両足底にびりびりとした疼痛が生じ,初診の1か月前頃から両下腿の片側面に限局した境界明瞭な暗紅色斑が出現した.血中ニコチン酸の低下,胃全摘の既往,アルコール多飲歴などからペラグラと診断した.ニコチン酸アミド内服を開始したところ,約1か月で皮疹は略治した.神経学的所見から末梢神経障害と診断したが,アルコール性のもの,ペラグラによるものは共通点が多く鑑別が困難であった.1991〜2016年の報告例をまとめると,皮膚症状と神経症状を合併したのは19%であった.ペラグラの誘因としては,アルコール性が最も多く,消化管手術,食欲不振と続くため,生活習慣や環境要因を含めた詳細な問診が重要である.
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