摂食不良およびアルコール多飲によるペラグラの1例

Pellagra Due to Malnutrition and Chronic Alcoholism

46歳，女性。初診1カ月前より両手背の境界明瞭な赤褐色斑を認め受診した。Very strongクラスのステロイド外用薬で改善せず，皮疹は左右対称に四肢露光部に拡大した。詳細に問診を行ったところ，摂食不良，アルコール多飲が判明した。病理組織学的に，不全角化を伴う過角化，表皮真皮境界部の液状変性，真皮上層の浮腫を認めた。血液検査で，血清トリプトファン値の低下あり。ニコチン酸アミド，ビタミンB₂，B₆内服で速やかに皮疹は改善し，ペラグラと診断した。1991〜2018年の本邦報告例を検討したところ，皮疹は手背に好発し，原因としてはアルコール多飲が最多であった。