Japanese
English
症例報告
ベムラフェニブの休薬によって脳転移が急激に増大した悪性黒色腫の1例
Rapid growth of metastatic malignant melanoma in the brain after discontinuation of vemurafenib
岡 愛菜
1
,
安田 正人
1
,
須藤 麻梨子
1
,
岸 史子
1
,
高橋 亜由美
1
,
山中 正義
1
,
石川 治
1
Aina OKA
1
,
Masahito YASUDA
1
,
Mariko SUTO
1
,
Chikako KISHI
1
,
Ayumi TAKAHASHI
1
,
Masayoshi YAMANAKA
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University, Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
ベムラフェニブ
,
BRAF
,
脳転移
Keyword:
悪性黒色腫
,
ベムラフェニブ
,
BRAF
,
脳転移
pp.808-812
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205206
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要約 45歳,女性.41歳時に前医で右大腿の褐色斑を切除し,悪性黒色腫と診断された.その後は放置していたが,1年後に右鼠径部,3年後に右背部に皮下結節が出現,徐々に増大してきたため前医で針生検が行われた.転移性悪性黒色腫の診断で当科を紹介され受診した.検索の結果,悪性黒色腫多臓器多発転移TxNxM1 stageIVと診断した.転移巣の腫瘍細胞はBRAF遺伝子変異が陽性であり,ベムラフェニブ(ゼルボラフ®)内服を開始した.腹痛や倦怠感などの自覚症状は急速に改善し,いずれの転移巣も著明に縮小した.しかし,肝障害によるベムラフェニブ休薬後2週間で脳転移が急速に増大,多発し,死亡した.自験例において,ベムラフェニブは脳転移に対してもある程度効果はあったと推測されるが,脳転移症例に対するベムラフェニブの奏効率は低いため,他剤も含めた治療選択の確立が望まれる.
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