Japanese
English
症例報告
皮膚転移を契機に発見された下大静脈平滑筋肉腫の1例
A case of leiomyosarcoma of inferior vena cava diagnosed from skin metastasis
藤原 千紗子
1
,
安田 正人
1
,
星島 啓子
2
,
石渕 隆広
1
,
岸 史子
1
,
高橋 亜由美
1
,
石川 治
1
Chisako FUJIWARA
1
,
Masahito YASUDA
1
,
Keiko HOSHISHIMA
2
,
Takahiro ISHIBUCHI
1
,
Chikako KISHI
1
,
Ayumi TAKAHASHI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
2館林厚生病院皮膚科
1Department of Dermatology, Gumma University School of Medicine, Maebashi, Japan
2Division of Dermatology, Tatebayashi Kosei Hospital, Tatebayashi, Japan
キーワード:
下大静脈原発平滑筋肉腫
,
皮膚転移
Keyword:
下大静脈原発平滑筋肉腫
,
皮膚転移
pp.997-1000
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205252
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要約 82歳,男性.初診1年半前から自覚していた左耳前部結節が増大してきたため近医を受診した.生検病理組織像より平滑筋肉腫と診断され当科を紹介され受診した.初診時,左耳前部と右前額部に紫紅色結節を,左口角,左側胸部に皮下結節をそれぞれ認めた.CTにて下大静脈腫瘤と多発性の肺結節があり,下大静脈原発平滑筋肉腫の多発性皮膚・肺転移と診断し,皮膚・皮下結節すべてを切除した.切除標本病理組織学的所見では,真皮から皮下にかけて,比較的境界明瞭な腫瘍塊があり,大小不同の紡錘形から楕円形の核を有する腫瘍細胞が束状に密に増殖していた.これまで本邦において報告されている皮膚転移を生じた内臓原発平滑筋肉腫15例のうち,下大静脈原発例はみられない.しかし同部位発症例は血管壁原発平滑筋肉腫の60%を占めるため,皮膚転移をみた際には下大静脈由来の可能性を念頭に置いた検索を要する.
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