Japanese
English
症例報告
ベムラフェニブが短期間奏効した陰茎原発のStage Ⅳ悪性黒色腫の1例
A case of primary Stage Ⅳ penile malignant melanoma effectively treated in a short term with vemurafenib
溝上 沙央里
1
,
猿田 寛
1
,
今村 太一
1
,
井上 義彦
1
,
古村 南夫
1
,
大畑 千佳
1
,
森崎 隆
2
,
名嘉眞 武国
1
Saori MIZOKAMI
1
,
Hiroshi SARUTA
1
,
Taichi IMAMURA
1
,
Yoshihiko INOUE
1
,
Minao FURUMURA
1
,
Chika OHATA
1
,
Takashi MORISAKI
2
,
Takekuni NAKAMA
1
1久留米大学医学部皮膚科
2福岡がん総合クリニック
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
2Fukuoka General Cancer Clinic, Fukuoka, Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
BRAF V600E変異
,
ベムラフェニブ
Keyword:
悪性黒色腫
,
BRAF V600E変異
,
ベムラフェニブ
pp.612-616
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204839
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要約 40歳,男性.原発部位は陰茎,pT3bN3M0病期ⅢCと診断し術後DAV Feron療法を5クール施行した.IFN-β療法を継続していたが,術後10か月の時点で脳,両肺に転移を認めた.DAC療法を2クール施行したが,転移巣は増大し肝臓にも新たに転移を認めた.以上の治療法で有効性が得られず,原発巣のBRAF V600E変異を認めたため,ベムラフェニブ1,920mg/日の連日投与を開始した.投与1か月後に脳・肺・肝の転移巣は縮小した.合併症として投与2か月で著明な関節痛および頰部にケラトアカントーマが生じた.その後,投与4か月で肝転移巣が著明に増加し,投与5か月で永眠した.近年,本邦でも進行期悪性黒色腫に対する新規薬剤の承認が進んでいるが使用報告は少ない.今後症例を蓄積することでより有効で安全な治療法を検討していくことが必要である.
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