Japanese
English
症例
ベムラフェニブ投与により一時的に呼吸器症状が改善した悪性黒色腫多発転移の1例
Multiple metastases of malignant melanoma transiently recovered from pulmonary dysfunction by vemurafenib administration
林 大輔
1
,
中井 浩三
1
,
加茂 理英
1
,
川口 知哉
2
,
大澤 政彦
3
,
大山 綾子
1
,
楠谷 尚
1
,
鶴田 大輔
1
Daisuke HAYASHI
1
,
Kozo NAKAI
1
,
Riei KAMO
1
,
Tomoya KAWAGUCHI
2
,
Masahiko OHSAWA
3
,
Ayako OHYAMA
1
,
Nao KUSUTANI
1
,
Daisuke TSURUTA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学(主任:鶴田大輔教授)
2同,呼吸器内科学
3同,診断病理・病理病態学
キーワード:
悪性黒色腫
,
ベムラフェニブ
Keyword:
悪性黒色腫
,
ベムラフェニブ
pp.133-136
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003066
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43歳,男性。2007年頃に左腰部の色素斑が隆起してきた。悪性黒色腫(T4bN1aM0,Stage ⅢA)の診断であり,2012年当科を受診した。腫瘍切除後の追加治療は希望されず,受診も自己中断していた。2015年,悪性黒色腫の肺転移が判明し,右上葉の胸水貯留と呼吸苦のため入院した。ベムラフェニブ投与25日後に症状は軽快し,一時退院することができた。以後は通院でベムラフェニブ内服を継続,60日後に再度胸水が貯留し,心外閉塞・拘束性ショックにより永眠された。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬により,悪性黒色腫末期患者の生存期間の延長だけでなく,生活の質の向上が望めると考えられた。
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