Japanese
English
症例報告
血栓性微小血管障害を合併した全身性エリテマトーデスの1例
A case of systemic lupus erythematosus complicated with thrombotic microangiopathy
岡 愛菜
1
,
土岐 清香
1
,
関口 明子
1
,
石渕 裕久
1
,
青山 久美
1
,
山中 正義
1
,
石川 治
1
Aina OKA
1
,
Sayaka TOKI
1
,
Akiko SEKIGUCHI
1
,
Hirohisa ISHIBUCHI
1
,
Kumi AOYAMA
1
,
Masayoshi YAMANAKA
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University, Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
血栓性微小血管障害
,
全身性エリテマトーデス
,
血小板減少
,
破砕赤血球
,
血漿交換
Keyword:
血栓性微小血管障害
,
全身性エリテマトーデス
,
血小板減少
,
破砕赤血球
,
血漿交換
pp.777-782
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205200
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要約 67歳,女性.1984年にSLEと診断され,近年はプレドニゾロン(PSL)2.5mg/日内服で病勢は落ち着いていた.2015年1月から微熱,倦怠感,浮腫,動悸,息切れが出現,近医で間質性肺炎と心囊液貯留を指摘され4月に当科入院した.PSL 40mg/日で治療を開始したが,30mg/日減量時に漿膜炎再燃と血小板減少が出現した.mPSL 1gパルス後も血小板数は改善なく,破砕赤血球を伴う溶血性貧血を認めたことから血栓性微小血管障害(thrombotic microangiopathy:TMA)と診断した.新鮮凍結血漿輸注と血漿交換,mPSL 1gパルスを行ったが改善しなかった.シクロホスファミドパルス(intravenous cyclophosphamide:IVCY)を行ったところ血小板数の回復を認めたが,虚血性心疾患を発症し第58病日に永眠した.TMAの標準治療は血漿交換であるが,膠原病に生じるTMAでは治療抵抗例が多く,治療抵抗性と判断した場合,速やかにIVCYやリツキシマブ投与を行う必要があると考えた.
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