Japanese
English
症例報告
クリオピリン関連周期熱症候群の1例
A case of cryopyrin-associated periodic syndrome
宮田 龍臣
1
,
竹中 祐子
1
,
葉山 愛弥
1
,
石黒 直子
1
,
宮前 多佳子
2
,
川島 眞
1
Ryujin MIYATA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Manami HAYAMA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Takako MIYAMAE
2
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Institute of Rheumatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
クリオピリン関連周期熱症候群
,
自己炎症性疾患
,
NLRP3遺伝子
,
蕁麻疹関連疾患
Keyword:
クリオピリン関連周期熱症候群
,
自己炎症性疾患
,
NLRP3遺伝子
,
蕁麻疹関連疾患
pp.783-786
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205201
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要約 24歳,男性.幼少期より発熱,関節痛を伴う蕁麻疹様紅斑の出現を繰り返していた.初診時,38℃台の発熱,四肢に瘙痒を伴わない大豆大までの浮腫性紅斑が多発散在していた.血液学的に,WBC 10,510/ml,CRP 2.44mg/dlと炎症反応の上昇を認めた.フェリチンの上昇はなく,抗核抗体は陰性であった.紅斑の病理組織像では,真皮上中層に浮腫があり,血管周囲にリンパ球が浸潤し,膠原線維間に好中球が散見された.当初,家族性地中海熱を疑い,コルヒチン1.0mg/日を開始するも軽快はみられなかった.その後,遺伝子検査にてNLRP3の遺伝子変異を検出した.クリオピリン関連周期熱症候群と診断し,プレドニゾロン30mg/日内服とカナキヌマブの投与にて軽快を認めた.クリオピリン関連周期熱症候群は,NLRP3遺伝子異常によりIL-1βの過剰産生をきたす遺伝性自己炎症症候群である.幼少期からの周期熱と瘙痒のない蕁麻疹様紅斑を呈す場合には本症を疑い,遺伝子学的検討を含めた精査が必要であると考える.
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