壊疽性膿皮症と潰瘍性大腸炎を合併した多発性無菌性膿瘍の1例

Multiple aseptic abscesses associated with pyoderma gangrenosum and ulcerative colitis

潰瘍性大腸炎に対してプレドニゾロン，タクロリムス水和物，メサラジン内服，顆粒球除去療法，インフリキシマブなどで加療するも再燃を繰り返した。潰瘍が急速に拡大し壊疽性膿皮症と診断した。また，4臓器に無菌性膿瘍を伴いaseptic abscesses syndromeと診断した。プレドニゾロン増量，インフリキシマブ投与，顆粒球除去療法再開，シクロスポリン，ジアフェニルスルホン，コルヒチンを追加したが難治であり，シクロスポリンをタクロリムス水和物に変更，免疫グロブリン大量静注療法，インフリキシマブ投与間隔短縮と腎膿瘍CTガイド下ドレナージにて改善した。壊疽性膿皮症を診察時，無菌性膿瘍併発の可能性を十分考慮する必要がある。