Japanese
English
今月の症例
胸腹部から背部に及ぶ巨大皮膚潰瘍を呈した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum with gigantic cutaneous ulceration spreading from the chest and abdomen to the back
小坂 啓寿
1
,
岸 史子
1
,
安田 正人
1
,
土岐 清香
1
,
栗山 裕子
1
,
石川 真衣
1
,
石渕 裕久
1
,
茂木 精一郎
1
,
石川 治
1
Keiji KOSAKA
1
,
Chikako KISHI
1
,
Masahito YASUDA
1
,
Sayaka TOKI
1
,
Yuko KURIYAMA
1
,
Mai ISHIKAWA
1
,
Hirohisa ISHIBUCHI
1
,
Sei-ichiro MOTEGI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
巨大皮膚潰瘍
,
デブリドマン
,
分層植皮術
,
シクロスポリン
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
巨大皮膚潰瘍
,
デブリドマン
,
分層植皮術
,
シクロスポリン
pp.749-754
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206464
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要約 60歳台,男性.強迫性障害があり,引きこもり生活であった.初診6か月前より,臍部付近に排膿を伴う皮疹が出現.遠心性に拡大,潰瘍を形成した.初診時,胸腹部から背部にかけて,壊死を伴う巨大な潰瘍があり,臍や右乳頭も欠損していた.病理所見では,真皮上層や毛包周囲に好中球が稠密に浸潤しており,壊疽性膿皮症と診断した.基礎疾患はなく,シクロスポリン,ミノサイクリン内服により改善したところで,植皮を行い上皮化した.本邦で長径30cm以上の巨大潰瘍を呈した壊疽性膿皮症は自験例を含めて9例あり,多くは治療により良好な経過が得られているが,巨大潰瘍では感染リスクや,治癒後の瘢痕拘縮も懸念されるため,自験例のように壊疽性膿皮症の病勢が落ち着いたところでの外科的再建は治療選択肢の1つになると考えた.
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