増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
臨床検査で迫る腎疾患
血栓性微小血管症の病態評価
加藤 規利
1
,
立枩 良崇
2
,
丸山 彰一
3
1名古屋大学医学部附属病院腎臓内科
2藤田医科大学ばんたね病院腎臓内科
3名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科
キーワード:
破砕赤血球
,
ハプトグロビン
,
von Willebrand因子分解酵素
,
ADAMTS13
,
補体
,
志賀毒素
Keyword:
破砕赤血球
,
ハプトグロビン
,
von Willebrand因子分解酵素
,
ADAMTS13
,
補体
,
志賀毒素
pp.542-545
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203603
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はじめに
血栓性微小血管障害とは,さまざまな原因による血管内皮障害が引き起こされた結果,微小血管において血小板血栓が形成され,血栓性の臓器障害が引き起こされることを指し,その病態を血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)と呼ぶ.貧血,血小板減少をきたすが,これらは肝障害や播種性血管内凝固症候群などにも共通する検査所見であり,TMAの存在は見落とされやすい.このような血球減少をきたす患者の診療においてはTMAを“疑う”ことが重要で,診断の際に注意したいのは溶血性貧血の存在に“気付く”ことである.そのためには破砕赤血球の出現や,ハプトグロビンの低下に注目したい.
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